朽ちる眠り

2003年6月15日

いま、突然に気が付いた
自分が骨格で立ち尽くしていた事に

両耳の裏側から、風がシゥ…と鳴る

足の裏の面積だけが支える垂直となった意志の形
これだけだ
肉の内部で心など見た事が無い
感覚を殺して作った言葉だけが在る
その糸で心の模型を紡いでいるだけだ
だから立ち尽して朽ちていける

風が吹き上げていく
巻き込んで抱きしめて捉えられる言葉の糸
下から上から、そして奥深くから沸き起こって来る風
糸を吹き抜けていく細い音楽

空から見た風景の記憶も、確かに在るはずなのに
風が吹く度に薄れてしまう
髪を梳き、指を絡める風の糸、四肢さえも虚ろだったのか
もう糸は切れた
ただ直滑降で空を横切り失墜していく

何か花を見かけたらしい
きっと、これが最後の記憶

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